こんな方におすすめ
○複雑な問題を解決したい方。
○一流コンサルタントの分析力を知りたい方。
○広く、いろんな方向から物事を考えたい方。
○頭が良くなりたい方(笑)
ある意味で、究極の成功のための本。これを極めてご自分のモノにすれば、少なくともビジネスで失敗する可能性がかなり低くなり、また成功する可能性も高くなります。
でも、理解するまで時間がかかります(泣)
今、あなたは何かの複雑な問題を抱えていますか?
答えが見つからない、ややこしい課題を抱えていますか?
そんな、複雑な問題を解決するための方法を教えている本です。
悩む=答えがでない。
考える=答えが出る。
という発想で、建設的に考えを組み立てるための方法論です。
何でそんな難しい問題を解決できるの?と思われたあなた。だってこの著者は、
一流コンサルタント会社の出身者だからです!
あの超有名で、エリート集団の一流コンサルタント会社のマッキンゼー、慶応大教授、そしてyahoo,japanの役員を務めたという、頭脳の塊みたいな人。
そのマッキンゼーで培った問題解決能力の手順で問題を解決しているからなんですね。
そのエリート集団で学んだ手法なので、かなり高度な問題解決の方法が書いてあります。
ただ、分かり易く書いてはくれていますが、それでも内容は難解です。(私は頭がパンクしそうになりました(笑)
私は本の内容を理解するのに必死でしたが、こういうのが大好きな方にはそれはもう、熱中できることまちがいなし!だと思います。
気になった方は実際に読んでみて下さいね!
では、先ずは問題解決のキホン的な考え方からご紹介していきます
問題解決をしたかったら、
ただやみくもに知識を詰め込んだり、仕事量を増やしてもムダ。
○それよりも物事の”本質”を見極める。そのためには、どういう順番で考えればいいか?
○数ある問題や課題の中で、白黒をはっきりさせて良い結果に導くための”答え”を探すためには、どのような手順で考えていけばいいか。
この2つを目的にしている本です。
”答え”を出すためには、考える順番があるようです。次からはその方法を書いていきます。かなりボリュームあるので、全部紹介すると軽い単行本くらいになっちゃうので、要点だけをまとめてあります。
答を出すにはこの順番で行う
問題を解決して答えをだすための順番は、次のように進めていきます。
①仮設を立てる。
たとえば、あなたがTシャツを販売したいとします。まず市場の動きを1つ1つ見ながらどこを攻めていけば良いのかを考えていきます。
例 Tシャツ市場は、
A 業界全体は縮小している。
B その中でも、オリジナルのTシャツは拡大している。
C 特殊な繊維のものも、拡大している。
D 価格は安い物と高い物の2極化。中間は売れていない。
E 使用目的は、外出着が○○%仕事着が○○%
E 地域的に観て、需要はどうか・・・
といったように、(実際はもっと調べないといけません)様々な現状を調べながら、自分はどの方向でやっていくのかを、いくつかのレパートリーを考えて仮説を立てていきます。
②常識を否定してみる。
自分の立てた仮説を並べて、異なる視点で説明ができないか、あるいは否定して代わりのものを導入して組み替えることが出来ないかを考える。
(ここからは、すべてTシャツを例にしてご説明します)
仕事や外出で使うというデーターが多いが、部屋着やパジャマとしてみてはどうか?
”着る”という発想ではなく、巻く、被るという使い道はできないか・・・など。
③新しい構造で考えてみる。
これは3つの視点で考えてみます。
A 共通性の発見。
外出着と仕事着で、共通していることは?
今売れている、プリントシャツと特殊繊維で共通していることは?など・・
B 関係性の発見。
特殊繊維とプリントのTシャツは、季節の売れ行きと関係しているか?
それとも、CMや流行で売れているのかなど・・・
C グルーピングの発見、ルールの発見。
売れているTシャツは、同じ流通経路で販売している。
売れていないTシャツは、実はポリエルテルの素材が多い。
プリントTシャツも特殊繊維も、白色が一番売れているなど・・・
(このTシャツの例は、実際のデーターではないので、例として考えてね!)
④情報を収集する。
今まで立てたデーターや仮説を元に、情報を収集していく。
これにも手順があって、実際に現場で売っている販売員さんや、メーカーの営業さんなどの、”実際に現場で働いていて、Tシャツの売れ行きを肌で感じている人”から情報を集めていきます。
それを元に、2次情報(新聞、ネット、業界新聞やデータベース)と照らし合わせ、自分の仮説が合っていのかを検証する。
*様々な課題が入り混じった複雑な問題を解決したい場合も、やり方は同じです。
①の仮説を立てる。では1つ1つの課題を出してみる。
②の常識を否定してみるでは、違う視点で①の課題を考えてみたり、極端なはなし、課題と思っていたことが実はポジティブなことなんじゃないかといった、逆の発想などをしてみます。
③では、違う課題や問題だったと思っていたことが、実は根っこが同じだったり、重複していたり、原因が同じだったり・・ということに気づくことができれば、課題の中身がよりシンプルになったりします。
④では、課題や問題が現場や最前線では実際どうなっているのかという、
”生の事実”をリサーチするのに役立つはずですね。
課題や問題を解決する場合は、こんな感じで進めていくことになります。
そろそろ頭が痛くなってきましたか?私も書いていて頭が変になりそうになってきました(笑)。さあ、ここからは、この仮説やデーターを使えるまでに落とし込んでいくお仕事になります!
いよいよ、問題の本質(イシュー)へアプローチする。
今まで得たデーターや仮説を元に、今度は4つのアプローチで深堀りしていきます。
A これまでの情報や仮説のポイントを整理する。
○視覚化して、図で書いて整理する。因果関係をチャートにしてみる。など・・
B 問題を解決できたと想定して、現在とのギャップを整理してみる。
(何が足りないか。何を付け加えれば良いか、何を除外すればいいか。など・・・
C ”So,What?”を繰り返す。
だから何?だから何?と自問自答していって、どんどん深堀りしていく。
例えば、
「現場の販売員さんは、黒色のシャツが売れていると言っていた。
でも業界データーでは、白が売れているようだ。これは何で?
地方では黒が売れている?だから何で?ここは寒いから、白より黒のほうが気分的にいいから。では、何で業界全体では白が売れているの?」
といった風に、ひたすらボケ突っ込みを繰り返すイメージです。
D 常識外れの発想をしてみる。
工事現場で使える、ヘルメット付きTシャツ。
小物が入る、リュック付きTシャツ。
コートとして使えるTシャツ(すでにTシャツのカテゴリーじゃないけど・・(笑)
といった発想を繰り返して、本当に大切な答えは何か?を探していきます。
ここまでは、仮説と検証でしたね。そして、これを使えるように、まとめに入っていきます
これらをまとめて、ストーリーを組んでいく
これまでは集めた情報の1つ1つに仮説を立てたり、別の視点から考えてみたり、常識外れの方法を考えてみたり・・・をしてきましたね。
そうやってデーターが出尽くしたところで、次はこれらをまとめてストーリーを組んでいきます。
先ずはまとめていくわけですが、
今までの仮説や検証を、
①「正しいのか、事実に合っているか」
検証していきます。もちろん、事実と違っていたり、洩れがあったり、仮説そのものが間違っていると、しっかりとした”答え”は出ないので、ここは念入りに行います。
この作業では、いくつかの仮説がボツになるはずです。
例えば、プリントTシャツを販売するのが一番良いかもしれない・・・
と、データーや検証で考えていたします。
でも実際は、あるブランドのものだけが売れていたとか、”売れて”はいるけれども、実は特定の流通経路が販売量のほとんどを占めていた。という事実があるかもしれません。
このために、もう一度洩れやダブりなどがないかを検証していくのです。
また、常識外れのアイデアで行こう!となった場合でも、ここでシュミレーションをしていきます。
要するに、ここでは”これに決めよう”と仮に思っていた事を、実際に実現できるのかを検証していく作業になるわけですね。
②その中で生き残ったものを、今度はストーリーにしていく。
最終的に残ったものを、今度は実践可能なレベルに落とし込むために、ストーリーを作っていきます。
ストーリーといっても、物語を作るのではなく、
ここでは、なせそうなのか?なぜそうなのか?を繰り返していきます。
例えば、いろいろと検証して
「黒色のプリントTシャツをブランドとコラボして売る」
と仮に決めていたとします。これを深堀りしていく訳ですね。こんな風に・・・
なぜ黒色なのか?
「全国的には白が売れているが、販売の中心は地方なので、黒にする。」
なぜプリントなのか?
「無地よりはプリントが売れている。しかし、その中でもブランドのプリントが集中して売れている」
そこでブランドとタイアップして、地方で売る。etc・・・・・・・
かなり雑ではありますが、ストーリーにするとはこんな感じになります。
もちろん、これ以外にも、どの販売経路でいくのだとか、デザインはどうするだとか、代理店はどうするとか、一つ一つ組み立てていく・・そうして全体の完成です!!
*(Tシャツの何が売れている・・は実際とは違いますよ。あくまで、こういう順番で進めて下さいという例ですので、そこはご理解下さいね)
こういった順番を本書では詳しく事例や要点をまとめながら、しっかり書いてあります。
この本の中身をしっかり理解できて使えるようになれば、ご自分の問題解決だけではなく、他社や他の人の問題も解決できるようになります。
しかし、かなり真剣にやらないと難しいでしょう!
そこで、この本が向いている方、向いていない方を私なりの解釈で書きたいと思います。
本書が向いている方。向いていない方。
学術書レベルなので、この本書は向いている、向いていないがあるのではないか?
そう思いましたので、読もうかどうか検討している方は参考にしてみて下さい。私観にはなりますが・・・
向いている人。
○意地でも結果を出したい方。失敗したくない方。
○深刻な問題や課題を抱えて、是が非でも解決したい方。
○論理的思考が得意で、勉強や検証が大好きな方。
○コンサルタントになりたい方。
向いていない人。
○”直観”で動く方。
○物事を1つ1つ組み立てて深堀りするのが苦手な方。
○考えるより行動!タイプの方。
どちらが良い、悪いということはありませんが、それぞれ向き、不向きがありますので、ご参考までにしてみて下さいね!
「本を買ってみたけど、自分には使えなかった」という残念な結果になってしまうのは、私も望んでいないので。
PS
最後に、私が使ってみた感想をご報告いたします。
私はこれらの作業を、1人でやってみました。
この本を読んだ時は「一流コンサルの問題解決はやっぱりすごいな~」なんて夢中になって読みましたが、この手順で進めてみて、気がおかしくなりそうになりました(何せ頭が悪いもので(笑)
実際にやってみると、あちらこちらで壁に当たります。これを一つ一つクリアするのが大変・・・
手順だけ覚えて、あとはグループディスカッションして、みんなで知恵を出し合うという方法に変えてやってみたところ、様々なアイデアが出てきて問題を解決することができました
この方法ならいいかな!って私は感じました。
それはさておき、このプログで本を紹介している与沢翼さんとか、DaIGoさんなんかは、これを自分の頭の中でやってるんですよね。
今回ご紹介した本のようなやり方は知らないにせよ、これと似たような自問自答と、データの収集をしているんだから、そりゃ成功する訳ですよね!
それを可能にするのは、理屈とか理論ではなくて、信念とか意欲といったメンタルもかなりウェイトを占めているのかもしれません。
長くなりましたが、今回のご紹介はこれまでになります。
いや~今回はつかれたぁ~
読みやすさの難易度 ”超”高
出版社 英治出版
著者 安宅和人
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