こんな方におすすめ
○中小企業の社長、マネージャー。
○ゼロから会社を立ち上げて大きくしたい方。
○会社を次のステップへ伸ばしたい社長。
○社内や売上の問題に直面している方。
”起業術”というよりは、あなたの会社の売上ステージでやるべき事が見つかる本。
そして、売り上げや社内問題を解決するための本です。
もちろん、起業に関してのノウハウも充分入っているので、参考になります。
著者は、いくつもの事業を手掛け、数億円単位の事業にまで大きくしている人物なので、
今までの経験や失敗から、どのようにすれば会社が次のステップに進めるかをしっかり
教えてくれます。
何度も何度もこの本で説いているのは、
会社の売上の規模で、やり方を変えていく。
これに重点を置いています。
①起業したての頃 幼年期 (年商0円~1億円)
②事業が軌道に乗った頃 少年期 (年商1億~10億円)
③事業が安定しだす頃 青年期 (年商10億~50億円)
④知名度が上がり、有名になった頃 成人期 (年商50~100億。または200億)
この4つのカテゴリーに分けて、それぞれのステップで出てくる問題や課題、行き詰まる点
などをどう解決していき、次の売上のステップへつなげていくかを、丁重に教えてくれる本です。
例えば、
①の幼年期では、
とにかく販売することに専念する。会社を良く魅せるためのロゴ、キレイな封筒、キレイな事務所を借りるなんてことは二の次!売ることに8割の時間を使う。
と教えていますし、
②の少年期では、
イノベーションを大切にして、今まで売っていた商品やサービスに、よりお客様にお役に立つアイデアや特典、あたらしい仕組みを付けてアイデアを出して販売していく。
といったことや、
③の青年期では、
人の管理、マネージメント、社長の不得意な分野を補う優秀な人材を雇いいれるといった、
経営と仕組み作りに関することになり、
④の成人期では、
投資、株式公開、M&A、人を育てる仕組みを作る、会社としての形を整えていく。
といった事を説いています。
これはほんの少しを紹介してるだけですが、会社が次のステップに進むために、何を
すべきかが分かるので、次の目標や行動指針を考えるのには、とても役に立つのではないでしょうか。
もちろん、会社というのは”生もの”なので、このようにはいかないのは当然ですが、やみくもに、行き当たりばったりで経営しているよりは、経営指針や目標を決める1つの”柱”として学ぶのにはうってつけです。
その他には、売り上げや従業員が増えると出てくる、
よくある社内問題や課題をどう乗り切るか
その解決方法も、会社の大きさ別に詳しく書かれています。
以下はほんの一例ですが、
○従業員をやる気にさせて、自主性を育てる方法。
○会社の課題の解決や、強みをどうやって伸ばしていくか。
○会社の成長がコケてしまう理由や、それをどう乗り切るのか。
といった問題解決のアドバイスも豊富です。
私が、この本を読んで特に気づきを得られたのが、人材の特技や役目を、しっかり分けて
考えるという部分。例えば、
①商品を市場に出す人(販売役)
②改良する人 (改良役)
③事業がスムーズに進むようにまとめる人 (まとめ役)
④従業員にやるべき仕事をさせる人 (推進役)
ある程度、会社が大きくなれば、これらの役目を担う従業員はいますよね。
でも、この4つは、それぞれ使う能力もスキルも違うので、行き当たりばったり
ではなく、きちんと専門性のある人材を配置しないと、事業が行き詰まる可能性がある。
これには、深く考えさせられました。
小さい会社では、長く務めているから所長をやってくれとか、売る力があるから営業部長
になってるとか、ひどい場合、掛け持ちでこれらを担当していたり、叩き上げ社長などは、
これを社長一人がやってたりします。
これではダメだということ。
よくよく考えてみると、なにもかもこなせる神様のような人間はいない訳で、それぞれの
役目に特化していたり、得意な人材のほうが良いに決まってますもんね。
こういったことを気づかせてくれる内容が盛りだくさんです。
ある程度、会社の従業員規模や売上があがった会社は、こういった人材作りに目を向けて
いくのが、成長のために大切なんじゃないかと、改めて考えさせられました。
ここまでは、従業員を使っている会社を中心に書きましたが、次は起業したて
の方のための内容をご紹介します。
起業したての方は、何をすればいいか?
起業したての頃は、人事や会社の見栄えなんかよりも、(っていうか、自分一人か、パートナーくらいしかいないですもんね)
○どうやったら自分の商品が売れるか。
○売れるためにはどうすれば良いか。
○お客さん、見込み客をどこで見つけるか。
○どの商品を売るか、また、価格はいくらにするか。
○営業や販売は、どういう方法で、どこから狙って進めていくか。
○いきなり金をかけない。
などが詳しく書いてあります。
私も、いくつかの事業を立ち上げましたが、天然の入浴剤を販売したときなどは、
いきなり商品を市場に出しませんでした。
まずは地元の販売会で売ったり、知人に紹介して買ってもらったり、地元の雑貨屋
に置いてもらったりなど、とにかく金を使わず、お客さんの反応を見ながらテスト
する方法でやっています。
これをいきなりネットで販売したり、東急ハンズなどの大手に置いてもらうことを
考えたり、”でかい流通”を考えてしまうと、なにせ初期投資がかかります。
この本にも書いてありますが、売れるかどうかも分からない(売れると思って興奮してるのは自分だけだったりする)商品やサービスに初期投資をかけるのは、不幸の始まりです。
例えば、
事務所を借りる。パッケージデザインに何十万、何百万もかける。
いきなり数千ロット、数万ロットを作ってしまう・・・・
これらは自殺行為です。破産するのでお勧めできません。
私は、全部家で作って、パッケージも自分で考えて、デザインの印刷も自宅のコピー機
でやってました。(笑)
それでも、商品が良くて、お客さんへの勧め方が良ければ、ちゃんと売れます(笑)
天然の入浴剤も、ただ売るんではなくて、実は結婚式の引き出物にも販売可能なんだ
なんてヒントも、お客さんがくれたりもします。
いきなり金は使わない。まずは小さくテストする。
その大切さを、この本でも事例を載せてくどいくらいに紹介しているので、参考にしてみると良いです。
長くなりましたが、本の紹介はこんな感じです。
行き当たりばったりの経営や、これは上手くいくという思い込みでの失敗を防いで、上手に事業を成功させたいと考えている方は、一度目を通してみて下さいね。
PS
この著者は、一代で億万長者になった人なので、投資に関する本も出しています。
主に長期投資の内容が多い本ですが、そちらも近いうちにご紹介しますね。↓
読みやすさの難易度 高
出版社 ダイレクト出版
著者 マイケル・マスターソン
今回もダイレクト出版に飛びます↓
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